お知らせ

スマホでクラウドを活用しよう。国学院大学経済学部「情報システムの基礎」受講者へのアドバイス

「情報システムの基礎」(学部共通科目・1年生以上)を受講の皆さんへ。そして国学院大学のすべての学生・教員の皆さんへ。12月3日(木)と9日(水)の授業から動向編に入ります。この10年間の動向の総論をしたのちに、いったんアドバイスモードにします。みなさんに学生時代の早いうちから始めてほしい「スマホでできる知的生活アプリ」を紹介します。たいていは無料で済むサービスです。App StoreかGoogle Playでインストールして下さい。
まず最初にWi-Fi設定をしておきましょう。渋谷キャンパスはWi-Fiが完備されています。このページを参照して下さい。
●知的活動全般用クラウドサービス
Evernote 授業の記録・配付資料・ノート・レポート・ウェブで拾った情報・写真・ファイルなどをすべてクラウド上に蓄積することができます。2段階認証は必須です。まずはここから。
Office365 クラウドサービスのOfficeです。大学として契約してあるのでKEANのアカウントで利用できます。利用方法は先ほどの「学内サービスの利用ガイド」を参照して下さい。めんどうだという人はスマホの検索画面のマイクをオンにして「オフィスさんろくご サインイン」と言えば、たいてい広告の直後にマイクロソフトのサインイン画面が表示されます。サインインすると最初にアウトルックが出るはずです。そのさい左上の隅のドットの集合をタップしてみて下さい。そうするとOffice365の総入口にでます。そこでもう一度サインインするとOfficeが勢揃いします。これはOfficeOnlineシリーズです。すべてブラウザ上でOfficeができます。しかもアウトルックと直結しているので、添付ファイルも即座に見て編集することができます。これは従来のOfficeとデザインは同じであるものの、まったく性質の異なるもので、とても便利です。
Office365アプリ サインインした直後の画面にスマホアプリのダウンロードの案内がでるはずです。全部インストールしておきましょう。パソコンにもインストールできます。在学中は無料です。OneNoteはEvernoteに似た知的活動ツールで、こちらでもかなりなことができます。ほったらかしにしないで試してみましょう。とりわけPowerPointは使えます。スマホでプレゼンができます。大事なのはプレゼンをする場所に応じた接続ケーブル端子を用意しておくことです。
OneDrive Office365のファイルは基本的にクラウドのOneDriveに自動保存されます。クラウドに保存すると、どこからでも、どのデバイスからでもアクセスできます。もうUSBメモリは必要ありません。
Google Apps Androidを使用しておられる方はすでに利用されていると思います。iPhoneの人も使うといいでしょう。これはもうフル装備です。Gmailとして登録すると、すべてのサービスが利用できます。これは一生使うものと思って、社会人としても使えるアカウントにしておきましょう。Gmailはとにかくスパムがほとんどないのが使いよいところです。自動的にソーシャルやプロモーションなどを振り分けてくれます。YouTubeのアカウントにもなりますし、Google+も自動的に生成されます。ニュースもこれでアンテナを張っておけば、けっこう役立ちます。グループもかんたんに設定できます。必ず2段階認証にしておきましょう。スマホの番号を登録して設定をしておけば、バスワードを入れたのちにスマホに電話かSMSで6桁の認証番号が来て、それを入れてひとつひとつのデバイスを確定していくものです。
iCloud iPhone使用の人は、初期設定でiCloudというクラウドサービスを利用するようになっています。これもよくできていて、写真や音楽などは、もう全部iCloudに共有するようにしておけば、手元のデバイスがトラブっても、データは残ります。クラウドに保存しておくのは危険だと思うかもしれませんが、暗号化と個別のパスワードで守る方が安全です。
●パスワード管理の仕方
ここでバスワード管理についてアドバイスをしておくと、母音抜き・8文字以上・大文字小文字・記号入りにするのが原則です。一番大事なのは「使い回しをしない」ことです。ひとつのサービスにはひとつの固有のパスワードを設定しましょう。これだと、いざパスワードが破られたときにも1つのサービスの対策だけで済みます。使い回しをしていると、ひとつ破られると複数のサービスの対策もしなければならず、たいてい間に合いません。おぼえなくてもけっこう。ノートに自分だけがわかる形式で書き留めておけばいいのです。これだけさまざまなサービスを利用する時代ですから、こうするか、あるいはキーチェーンなどに覚えさせます。クロームを使うようにすると、クロームにパスワードを覚えさせれば、それほど苦労はありませんし、クローム自体に認証してあるので、自分だけが使用するデバイスであれば、それほどリスキーではありません。
●SNS
LINE 学生はみんなアカウントを持っていますよね。先生たちももつようにしましょう。いまや基礎演習やゼミでは欠かせないツールです。グループを作ってしまえば、トークを中心に写真や動画はもちろんアルバムもノートも共有できます。ワードやパワポのファイルもLINEKeepを使えば共有できます。パソコンからアクセスするとわかりますが、LINEのアカウントは基本的に2段階認証ですから、じつはかなり安全です。ぐんぐんプラットホーム化していますが、世界的にはまだ認識度が低くて、他のサービスとの共有がちょっと不便ではあります。
Twitter 学生は複数のアカウントを使い分けています。ふだんはフォローしていなくても、ハッシュタグやリツイートなどでたいていの(カギなしの)ツイートをたどれるので、積極的に見回るようにすれば、けっこう深追いできるのが利点です。その分、自分がツイートするときは気を遣う必要があります。多少のトラブルがあっても即座かつ誠実に対応するようにすることが大事です。自分を鍛える道場のような場所として活用したいものです。
Facebook 一般学生は実名登録を嫌うので、ここを使うのは意識高い系学生でしょう。しかし、社会人になるまでに、やっておいた方がいいです。実名登録が基本でしたが、最近は通り名やペンネームでもよくなりました。でも、実名でやってこそメリットもあるのです。そのかわり、ここではちゃんと振る舞いましょう。友達限定で始めるのが基本です。プライバシー設定が最も充実していて、しかもかなり積極的に交流を促進するアルゴリズムで動いていますので、ちゃんと発言していれば、いろいろ有益な出会いもあります。その点では、とてもよく考えられています。懐かしい友人も勝手に見つけてくれます。ここで緩くつながっていれば、一生つながっていけるんじゃないでしょうか。
Facebookページ こちらは一般開放される宣伝広報用のFacebookで、この文章もFacebookページで書いています。ですから、ご縁のない人のところにもリーチしているはずです。学生としてはサークルやゼミのページとして活用すればいいんじゃないでしょうか。私も研究中です。おそらく人工知能によるアルゴリズムの強力さにおいて、ここがもっとも生き残るサービスだと思っています。検索エンジンにも登録されます。設定次第です。
Messenger Facebookのメッセージ機能です。独立したアプリもあります。これも暗号化された通信なので、すこぶる安全。たいていのファイルも添付できます。最近は大学以外の仕事で活用することが多いです。うちの大学も全部Facebookにすればいいのにと思います。
Instagram 写真中心のSNSです。フィルターがたくさんあるので、かっこいい写真をアップできますし、他のSNSにもすぐに共有できます。写真中心で、はじめはオシャレな人たちが動員されていたので、全体的にもオシャレ感が満載です。私はこれで写真を共有することが多いです。
Pinterest これは画像を自在に共有するサービスで、たとえばアイドルの写真を見つけると、それにつながって同様の写真が次々にピンできるというものです。私はオシャレなポスターを集めてみたりしています。広告やデザインの研究にはいいです。
●電子書籍
Kindle アマゾンの電子書籍です。日本語ではライトノベルやコミック中心ですが、最近は新書本やビジネス書がぐんぐん増えています。英語圏では大学のテキスト中心にかなりの学術系が出ていて、研究費でKindle本が購入できるといいのですが、交渉がめんどうなので、私はすべて自前です。Kindleのいいところは辞書がついていること。スマホのアプリにもついています。わからない単語があったら、それを長押しすると辞書が呼び出されて吹き出しのように意味が出てきます。辞書なしで英語が読めるということです。これ、けっこう便利です。学生も大学用のテキストや安い専門事典を試してみるといいと思います。用語辞典のようなものだと説明も短いので、パラパラ読みができます。
●電子辞書
Wisdom英和・和英辞典 辞書アプリは知的生活の必須ツールでしょう。私も1ダースぐらいアプリを買ってあります。一番よく使う英和・和英辞典はウィズダムです。これはよくできています。
RandomHouse あのビッグな大辞典がスマホに入るのは驚きです。これは先生用でしょうか。
Collins Cobuilt 英英辞典ではコウビルトがいいと思います。ちゃんと説明してくれるのがうれしい。
●事典
現代用語の基礎知識 本の方は分厚いですが、アプリなら運べます。現代用語なので今の言葉が解説されているのはもちろんですが、意外に伝統的な概念や歴史用語も掲載されているので、手元にあるとたいていのものは出てきます。ウィキペディア日本版より使えるかも。定番です。
Encyclopedia Britannica ブリタニカの最新版。これは年会費$14.99かかりますが、学術的な事柄はたいてい網羅しています。次々にリンクをたどっていくと時間を忘れます。有料アプリで「ブリタニカ・ジャパン」もあります。こちらは日本語。
●CMS(ブログ作成公開)
はてなブログ これが無料としては最も出来がいいプログサービスです。無料で3つのサイトが作れます。共有もかんたん。「はてな」には「ブックマーク!」というサービスもあり、アプリも独立していますが、ウェブニュースを読んで印を付けたいときに便利です。共有も自由自在にできます。自分ネタ以外にも発信したいときは(ぜひそうなってください)ニュースにコメントを付けるところから始めるといいと思いますが、それがかんたんにできます。発信することは重要です。自分でトレーニングして、友人たちと競い合うようにレッスンしておきましょう。多少の耐性もつけなければ。
WordPress 現在のサイト構築の基本ツールです。レンタルサーバーを借りてWordPressをインストールするというのが定番です。無料サービスとしてはWordPress.comがあります。ここで自分の得意分野のブログをしてみるといいでしょう。私は20世紀のサイト以外は全部、WordPressかはてなに統一しました。分野別にしているので1ダースぐらいあります。
●定額音楽配信サービス
LINEMusic これは学生にはおなじみ。けれども私は聴ける曲がありません。
iTunes 所有しているCD中心に定額で何でも聴けます。
GooglePlayMusic 定額で何でも聴けます。
Amason Prime Music プライム会員になっていると、自分がアマゾンで購入したCDとその周辺が実質無料になります。無料で聴ける曲・アルバムは人によってちがうようです。ここでも人工知能的なアルゴリズムが動いています。
NaxosMusicLibrary クラシック専門の定額配信サービス。図書館で契約している大学や学校も多いようです。ナクソスが中心になってクラシックのマイナーレーベルが総結集しています。クラシックおたく(メジャー好きのマニアではなく)向け。私は、これで大量にCDを処分することにしました。Facebookで分野別にもらってくれる人を探して差し上げました。
●緊急時のニュース
Ustream 3.11のときにも活躍した同時中継サイト。イベント中継にもよく使われます。
radico.jp 民放ラジオがネットで聴けるサービス。
らじる★らじる NHKラジオ。
●翻訳
Google翻訳 英語に訳してくれるだけではありません。たいていの言語に翻訳してくれます。自動翻訳こそ人工知能の腕の見せ所です。コツは、文を短く区切って、少しずつ訳すことでしょうか。単文を積み上げていって、少しずつ意思を伝えるツールです。
●本を買う
Amazon とにかくこれで探すことです。古い本ならマーケットプレイスで安く買えます。学術的でない何か(ポケモンの歴史とか渋谷系とか)を調べるときは、まずここでどんな本があるかを見て、何冊か中古本を買うというのが、私のやり方です。
日本の古本屋 ここは文字通り日本中の古本屋が結集しています。ちゃんとした学術書はここで探します。クレジット決済できます。
ヤフオク! ここは本探しにも役立ちます。とくに雑誌のバックナンバーのセット探しなどは、ここしかないんじゃないでしょうか。メディア研究で何か特定できる雑誌があったなら、ここでバックナンバーのまとめ買いをするのが第一歩です。どんなストリート雑誌でも地方の片隅で教科書のように読まれていたりします。家が広いから保管されていたりするんです。でも結婚などで志向性ががらっと変わるものなので、でもぞんざいに捨てるわけにも行かず、わかる人に引き継ぎたいということでしょうか。
というわけで、スマホアプリを中心に案内してきました。物怖じせず、どんどん使ってみて下さい。