ラジオ復活

震災による停電、計画停電、これから来るかもしれない大地震。みんなこれらに備えています。そのため、さまざまなものが完売しています。単一乾電池がそうですが、電池でしっかり鳴るラジオもほんとうにない。私がそれを知ったのは数日前のことです。なぜそんなにのんびりしていたかというと、うちはすでにちゃんとした防災用のラジオがあるからです。数年前にNHKの語学番組を聴くため専用にコンパクトなラジオを買うとき、停電のときにしっかり使えるものを選んだのです。私が買ったのはソニーのICF-B100でした。ACは使えませんが、単一と単二と単三のどの電池も使えます。おまけにリチウム電池もつい ています。つまり4種類の電池が使える。非常用ブザーとライトがついています。停電時にみんなでラジオを囲んで情報を得るためのラジオです。

IFC-B100

とてもタフなラジオ


じつは「学部で用意したいんだけど防災用でいいラジオないですか?」ときかれたので、すぐにソニーのICF-B100を薦めたのですが、すでに生産終了していたとのことでした。なまじ、アナログのテレビが受信できたからでしょうけど、どんな電池でも使えて、たしか450時間(?)もつラジオって、他にないんですよね。しかたがないので、第2候補を探し始めてみたら、数年前まではあったモデルが軒並み廃盤です。あるいは完売状態でした。それで私は「災害時に使えるタフな電池ラジオ」が現在の市場にないことをようやく知ったのでした。
ないとなると気になってきます。こういう心理が相乗して買いだめなどが生じていかんのでしょうが、自宅はともあれ、かねがね研究室にも電池式ラジオを買っておかなければと思っていたところだったので、探すだけでもと思って探し始めました。そうすると、大昔のラジオにはまっていた時代がよみがえってきて、ついマニアックなラジオを見つけてしまいます。ラジオなんですが「レシーバー」と名前がつくようなものですね。ソニーの昔のレシーバーを私も持っていました。少なくともスリーバンドでしたが、学生時代のアルバイト先においてきてしまったので、もう手元にはありません。そういう懐かしいものは、たいていヤフオクにあるんですが、今回はさすがにない。でも、その進化したらしきものはたくさんありました。70年代のBCLラジオです。おもに短波で海外のラジオ放送を聴取するための高性能ラジオです。シラケ世代の私より少し下の人たちにはやりましたね。新人類世代より下かな。
そのころ私はチューナーでFMをさかんにエアチェックしていましたから、もうラジオそのものには興味がなかったんです。大きなFMアンテナをアパートの天井に吊るして、オープンリールのデッキで録音ばかりしていたように記憶しています。
そんなこんなで、「がんばろうニッポン」気分の変異体としてのノスタルジックな気分で手に入れようとしたのがソニーの「スカイセンサー」でした。まったくシンプルではなく、操縦室のようなラジオです。
ICF5900

スカイセンサーICF5900。ほしいけど競争相手が多い


しかし、ネットで調べてみると、BCLラジオの文化は最近、新中年の人たちにリバイバルしているようで、競争相手がとても多い。ヤフオクはそういう類いのものに盛り上がるので、私のように温度差の低い者ははじきだされてしまいます。結局、どれも落札できませんでした。
しかたないので、一発で落札できるものでマニアっぽいテイストの現役ラジオを探して、最終的にICF-EX5MK2という ソニーの高性能ラジオを買いました。FM/AM/ラジオNIKKEIがきけるものです。電池の持ち時間は少ないので、ぜんぜん防災用ではないです。ついでに、かなりコンパクトな中国製のナインバンドラジオも買いました(かなり安いもの)。これは海外旅行用のものでしょうか。ナインバンドって、何が聴けるんだろうという好奇心だけです。
こうしてみると、今はインターネットでいろいろなことができますが、ネットが一般人に使えるようになるまでは、ラジオがこうした好奇心の一翼を担っていたんですね。テレビはあったけれども、そこに濃い世界がないことはわかっていました。それは幕の内弁当のような型通りの世界です。それに対してラジオはちょっとマニアックな世界へのイージーな入り口であったような気がします。
震災で電気のないときにテレビは役に立たないから電池式ラジオが必要だねということで需要が復活した今、とくにソニーにはかつての名機を復活してほしいと思います。