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追悼・大岡信

Facebookには書いているが、ここのところ詩論を集めていた。入門書から入ったものの、ものたりず「詩論と言えば鮎川信夫と大岡信だよな」と思い定めて,2人の著作集揃いを買ったばかりだった。年度末でモーレツにやることが多く、全然読めていない。でも、すごいよね。万葉集の専門家はいる。近代詩の専門家、現代詩の専門家もいるが、たいてい分業である。それが当然だというのが普通であろうが、ちょっと視野を広げてみれば「詩」や「詩的言語」「詩的レトリック」というものは「言葉の世界」全体の周縁をぐるっとうずたかく縁取っているものなのだ。その輪郭線上において万葉集も現代詩も地続きなのである。それを教えてくれた数少ない日本の知識人だった。ごくごく最近知ったのは、クリステヴァもオクタビオ・パスもそういう輪郭をていねいにたどっている人たちだったんだね。還暦すぎても初めて知ることの喜びはあるのだよ。ありがとう! 大岡信。FullSizeRender 51