Author Archives: nomurakazuo.com

3月 232018

ムダにがんばるということ

どの授業もそうだが、学生・院生の温度差をどのようにハンドリングするかが悩ましい。たいがいの先生たちは省エネで「結果オーライ」かつ「去る者は追わず」である。だから保守的な企業は、大学での勉強よりも入試時点での学力の方を信用することになる。これを打破するには、一方で脱落しそうな学生を引っ張り上げ、他方で意欲とのびしろのある学生を積極的に後押ししなければならない。で、その分岐点は能力と言うよりも温度差にある。と言うか、勉強への熱意そのものが重要な後天的能力なのである。では、そのような熱意はどこから生まれるのか。
いやいや、そういうことを書きたいのではない。いま書きたいのは、学生たちのあいだにある大きな温度差が焦点化しないような解法がないかということである。この解法は属人的なものになりがちだが、カリスマ性の薄い自分としては、意欲の高低に左右されない勉強のプラットフォームが組み立てられないかを考えている。
ただし、私が言う「勉強」はカリキュラムをこなすという意味での「勉強」ではない。いまどきの学生は上手にそれはこなして単位を取っていく。そのあたりについては全然心配していない。制度的なしばりが明確なので、それなりに説明をしてあればたいてい大丈夫である。要するに、自分だけが進級できない・卒業できない状況だけは恥という恐怖があるから。すべて相対評価の世界の中で、誰かが背負わなければならない十字架を自分が背負うことにだけはなりたくないという恐怖である。相対評価というものは、必ず敗者を焦点化するから、一見おだやかでゆるい競争のように見えて、じつは過酷な競争構造になっているのである。相対評価の世界は「恐怖政治」なのである。いじめやそれに類した病理的な現象は、そういう恐怖政治に対する予防措置なのである。だれでもいいから、あらかじめはじき出しておけば、自分は敗者にはならないということだ。
この中で学生たちにとって自分の有限なエフォートをどのように振り分けるかの問題は日常的関心事となる。当然「その他の勉強」をいかに省力化してスルーするかを考える。いや、そもそもそんなものに意味はないから、都合のいいところだけをつまみ食いするのが当たり前になる。よく学生たちが言う「ムダにがんばった」という自嘲的な表現は、その他の勉強にエフォートを割くこと自体が異常認定されるキャンパス文化における比較的安全な表現である。
大学改革の中で必ず相対評価の必要性が叫ばれるのは、相対評価こそがもっともかんたんで有効な学生管理技法だからである。しかし、私は上に述べた点において相対評価には断じて反対である。むしろ「ムダにがんばった」ところだけが本当の意味での自分のアップデートになると思うほどである。
さて、「それで温度差が焦点化しないような解法」の話に戻りたいが、長くなってしまった。いったんこれで公開とする。

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3月 192018

ナラティブ・クエッショニング

一昨日の中川米造シンポジウムで学んだことの復習を1つだけ。保健医療行動科学学会の会長であられる中川晶さんとたまたま懇親会で立ち話をして、とてもおもしろいお話を聴いた。物語論の1つの臨床的応用になる。その解説が学会の方で公開されていたのを読んだところ。カウンセリングとはちがうんだよね。私は学生たちに自分の物語を書かせることをしてきたので、すぐに使えそうな気がする。

http://www.jahbs.info/TB2017/TB2017%202-6.pdf

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3月 182018

フランソワ・ブレアン

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フランソワ・ブレアン、懐かしい。レコードしか持ってなかったはずだが、グーグルになぜ入っているのか?

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3月 182018

中川米造没後20周年シンポジウムに参加して

play.google.com/music/m/T7e4osox4i33gcy7yndvpxuizgi

新幹線で朝食の中之島ビーフサンドを食べて、ようやく落ち着いてレオンハルトたちのカンタータを聴いている。昨日は著名な医学概論の巨匠である中川米造の没後20周年記念シンポジウムだった。中川米造の弟子にあたるいわゆる「中川研」の先生たちの主催で、著名な医療人類学者マーガレット・ロックさんの特別講演もあって、独特なシンポジウムだった。中川米造自身の魅力もさることながら、中川米造が大阪大学医学研究科にいたころの大学院生だった「高弟」の先生たちのアカデミックパンクな議論スタイルが周辺の多くの人たちを引きつけてきたところもある。私もその1人で、もともとは1995年秋に私のサイトを見てメールをくれた池田光穂さんのご縁から始まる。以来、たくさんの医療社会学系の共同研究や企画本に参加させてもらった。私の「健康言説論」系の仕事はすべて中川研とのご縁の賜物である。今も昔もそうだが、私のテンションとスピードと過剰さに付き合ってくれる人は少ないが、中川研の高弟の先生たちはいくらでも応答してくれる。特に筆頭弟子の佐藤純一さんと池田光穂さんのアカデミックでアナーキーでパンクな議論力は国内でもピカイチではないかと思う。渋谷界隈では五月蝿いハエみたいにあしらわれている私の議論スタイルは、中川研の高弟たちの「爪の垢」程度のものにすぎないのだ。というわけでアカデミックパンクの道を私なりに引き継ごうと決意したシンポジウムであった。

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3月 102018

『ゼミ入門』と『社会学の作法・初級編』全文公開

勉強法に関する2冊の本の全文を公開しました。いずれも品切れなので全文を公開しました。Facebookページの「ノート」にすでに出していましたが、あっちは探しづらいので、ソキウスに掲載し直します。

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3月 102018

ウェブデザインを学び直す

いよいよ12年ぶりにゼミサイトを作ることにしたので、ソキウスを実験台にしてあれこれ試しています。個人芸としてのウェブデザインはできるのですが、チーム芸としてのウェブ運営はまた別のことになります。基本的には情報デザインの観点からアプローチするつもりですが、やはりグラフィックなデザイン性がないと、やる気が起きないものです。チーム芸としてのワークフローと、良質なデザイン性を勉強し直しているところです。写真の2冊はいずれも企業の公式サイトを前提にして書かれたもので、この種のものはたくさんありますが、結局役に立っているのがこの2冊です。左の本がチーム芸、右の本がデザイン性。

今はクラウドで全部できるので、こういう知識さえあれば、かなり自由にまとまったコンテンツが表現できるようになりました。全部、スマホとパソコンのブラウザでできてしまう。問題なのはユーザーの方で、ある場所に行くとみんなかんたんにできるのに、ある場所に行くと誰もできないばかりか、こういう知識をバカにしたり忌み嫌う人たちばかりが固まって棲み分けているのです。メディアを使えるかどうかは、どんなメディアであれ、その人を有能にすると考えるので、大学の教育現場においてもかなり重要な知識だとずっとずっと思ってきました。

独自のコンセプトが固まってきたので、授業全体も大きく情報デザインにシフトするつもりです。となると、実践的な技術が不足するので、急いで補っているところです。

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3月 102018

タグのバグ取り

過去の本の索引を適当にタグに入れてしまったので、余計なタグが無数に入ってしまいました。代表的なバグが数字です。要するに、索引をエディタでちょろっと数字を消して一気にデータベースに入れたのですが、お試しで入れてみた、数字が取れ切れていないヴァージョンがそのまま残っていて、かなりそれがバグってました。タグとして付けられていた頻度の高い数字をタグから削除したところです。タグクラウドに出てくる数字だけを削除したので、これからちょくちょくと現れるたびに削除することになるでしょう。いったん一気にタグデータベースを消去できればいいんですけどね。よくわからない。

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3月 62018

タグを導入しました

『社会学感覚』と『リフレクション』の索引を投入してベーシックなタグリストを作成してソキウスに投入しました。まだ1990年代前半の古いタグしか入っていませんが、これをベースに少しずつ拡大しようと思います。フロントページのタグクラウドをご覧下さい。

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