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リフレクション
社会学的な感受性へ

詳細目次

 1994年刊行(文化書房博文社)の社会学概論です。社会学の求心力とは何か、社会学を学ぶ意味は何かについて考えます。全文を掲載。[1993年−1994年執筆]
 これはもともと前著『社会学感覚』で「知識論」として構想していたものですが、『社会学感覚』が大部になったため企画からはずし、のちに、新しいスタイルの社会学概論をめざして単独の本として書き下ろしたものです。
 当時のわたしの持論は、社会学概論は社会学の求心力を提示すべきであるというものでした。しかし、ここのところ日本の社会学はそれに失敗しているのではないかという思いがありました。社会学の遠心力ばかり説明していて、結局「なぜそれが社会学でなければならないのか」が読者や受講者に伝わってこないんです。ひょっとして社会学者自身がそれを見失っているのではないかとさえ感じていたのです。
 『社会学感覚』という遠心力の効いた仕事をする中で、そのような思いがいやましに募り、版元の「もっと薄い本を書いてね」という要請に乗じて、社会学概論のつもりで一気に書きました。結局これも400字詰め原稿用紙換算で550枚ほどありますから「薄い本」にはなりませんでしたが。
 本書は刊行後、日本社会学会の『社会学評論』に書評が出たり、大学入試問題に採り上げられたりしましたが、概論として理論的構成を前面に出したせいか、売れ行きのほうは芳しくなく、最近ようやく初刷がほぼはけて、残部僅少になったようです。二刷はないでしょうから書籍版のお買い求めはお早めに、というところです。内容はソシオリウムで全文公開します。

新訂版のお知らせ いったん品切れになった本書ですが、2003年9月15日付けで『リフレクション【新訂版】』として再刊されました。

はじめに

[1]引用文掲示[2]はじめに

序論

一 消費のことば、権力のことば

[3]充満することば[4]消費のことば[5]権力のことば[6]不在のことば

二 臨界の兆候

[7]選挙における棄権[8]大学教育における私語[9]企業における反社会的行為[10]医療における院内感染

三 反省のことばへ

[11]当事者の責任[12]外在的批判から内在的反省へ[13]反省のことばとしての社会学へ

第一章 反省的知識の系譜

一 情報と明識

[14]反省社会学の知識論(1)情報[15]反省社会学の知識論(2)明識[16]イデオロギーとしての技術と科学[17]解釈する知識[18]明識性をもつ科学

二 リフレクションの系譜

[19]リフレクションの訳語[20]リフレクション理論の四系譜

三 リフレクションとは何か

[21]リフレクションとコミュニケーション[22]自己理解と他者理解[23]実践的反省と社会学的反省[24]反省する主体[25]現実と理念[26]〈明識の科学〉の視圏へ──本書の構成

第二章 行為論の視圏──脱物象化と反省的行為

一 物象化された世界

[27]少子化社会[28]障害[29]自然的態度[30]物象化

二 脱物象化の知的可能性

[31]予言の自己成就[32]問題状況と脱物象化[33]社会の複合性

三 行為論的社会像

[34]行為論的人間像 [35]社会現象の原型としての言語 [36]行為の諸類型 [37]予期しない結果・潜在的機能・文化の悲劇 [38]自省的行為のモデル [39]反省的行為としての社会運動

第三章 知識過程論の視圏──社会はいかにして可能か

一 日常生活における知識

[40]社会関係の前提となる知識 [41]知識社会学の主題転換 [42]日常生活者の知識 [43]ジンメルの「社会はいかにして可能か」 [44]予言の自己成就と知識

二 役割現象の動態

[45]〈として〉規定 [46]鏡像効果 [47]演出と印象操作 [48]ずれによる個性認識 [49]距離化

三 知識と社会形成

[50]行為の反省的評価 [51]知識過程 [52]スモン患者の役割変遷

第四章 権力作用論の視圏──反省を抑圧するコミュニケーション

一 権力作用の複雑性

[53]反省抑圧への抵抗として社会学的反省 [54]権力作用とは何か [55]受益圏と受苦圏 [56]相互共犯性

二 排除現象──匿名の力

[57]さまざまな排除現象 [58]いじめの四層構造 [59]逸脱の医療化 [60]〈消費の論理〉と〈排除の論理〉 [61]自発的服従の視点

三 ディスコミュニケーション

[62]自発的服従を供給するメカニズム [63]歪められたコミュニケーション [64]現代日本の言語状況 [65]検定済みの知識 [66]マス・メディアの複合影響説

第五章 コミュニケーション論の視圏──〈反省する社会〉の構造原理

一 コミュニケーション論へ

[67]脱物象化とコミュニケーション [68]コミュニケーション論的社会像 [69]コミュニケーションの三水準

二 コミュニケーションの理想的局面

[70]コミュニケーションの理想 [71]理想的発話状況とコミュニケーション共同体 [72]コミュニケーション合理性

三 市民的公共圏の理念

[73]現代日本の公共性概念 [74]市民的公共圏 [75]担い手としてのコミュニケーション主体 [76]社会学の理念としての市民的公共圏

第六章 高度反省社会への課題

一 コミュニケーションの透明性と対称性の獲得

[77]現代日本社会における自省 [78]ディスクロージャー [79]マス・メディアの両義性 [80]専門家支配とインフォームド・コンセント

二 リフレクションの実践

[81]新しい社会運動 [82]「受苦忘却」型から「受苦覚醒」型へ [83]環境問題と生活環境主義 [84]政治的社会化と社会科学教育 [85]高度反省社会はいかにして可能か

三 社会学的な感受性

[86]異世界としての日常生活へ [87]社会学的な感受性とは何か [88]敵対的情報の受容 [89]能動的な受け手として [90]現在形の社会学 [91]公共哲学としての社会科学

あとがき

[92]あとがき


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SOCIUS.JPドメインへの初出 7/18(thu), 2002  
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