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未熟者の天下

著者からのメッセージ

 大人論の新書を出しました。タイトルは『未熟者の天下──大人はどこに消えた?』です。青春出版社の青春新書インテリジェンスの一冊です。

 いささか論争的なタイトルに見えますが、「未熟者の天下でいいじゃないの──かつての古い大人は消えつつあるが、どっこい新しい大人は健在だ」という意味です。私自身を含む「新しい大人」に焦点を当てて、大人はどうあるべきかを構想した本です。社会学や公共哲学の議論を利用してはいますが、参考文献をあれこれ引用したような難しい本ではありません。私が日ごろ考えてきた大人論をすなおに書いた本です。

 きわめて短期間に書いた本ですので、議論が十分練れているわけではありませんが、それなりの主張はあります。

 ひとつは、世代交代によって大人像は大きく変化するということ。成熟という心理的視点から大人を捉えたり、経済力や権力によって大人を捉えようとすると、「大人はどこに消えた?」ということになりがちです。いい年をした中年でさえも自分を一人前の大人とは実感できなくなります。なぜなら、今どきの新しい大人は必ずしも成熟感をもたないし、必ずしも経済力や権力の向上を実感していないからです。

 しかし、視点を文化やコミュニティや社交性におくと、分別のある自律的な大人としてふるまっているたくさんの人びとが見えてきます。そこには新しい大人がいるのです。「未熟──成熟」の視点から見ると未熟者なのかもしれないけれども、新しい文化を担う新世代の大人たちががんばっているのです。大人像は変わったということです。

 もうひとつは、そんな新しい大人がどんな社会をつくるのかを考えたいということです。リスク社会、信頼、社会関係資本、コモンズといった観点から、大人の社会というものを構想してみました。このあたりは「新しい大人のための公共哲学」と言うべき議論をしています。コミュニタリアンな大人像を提案しています。

2006年2月5日。『諸君』3月号で宮崎哲弥さんの「今月の新書完全読破」で「今月のベター」として本書を取り上げていただきました。さすがに読みが的確。

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