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ビーケーワン書評コラム

ミックス定点観測

[7]テレビと新聞とインターネットのはざまで悩む報道現場(2001.5.16)

インターネット・サバイバル
著者:福田 秀和著
出版:日本評論社
発行年月:2001.5
本体価格:\1,800


 小泉政権が成立して、コメントのうまいテレビ映えする政治家たちがたくさん閣僚になりました。テレビ政治の時代になったと言われて久しいですが、これほどまでの政権はなかったでしょう。いい悪いは別にして、心なしかニュースが生気を取り戻したかのようです。

 本書は、新聞報道とテレビ報道のふたつを経験し、現在は電子メディアにかかわっている著者が、とくにニュース制作現場でのメディア間落差を語ったものです。とくに新聞とテレビの現場がこんなにちがうということは知っておいてよいことだと思いました。もちろん私たちはある程度のことは知ったつもりになっていますが、「私は寝てないんだ」と報道陣に叫んで雪印ブランドを一気に崩壊させた社長さんのように、じつはちっともわかっていないというおそれもあります。

 「はじめに映像ありき」のテレビが伝えることは、じつはほんのわずかな範囲のできごとでしかないこと、しかし取材拒否ですらニュース素材になるテレビの強み。しかし、インターネットによるさまざまな発信行為によって、文字ベースのニュースへの揺り戻しも生じている現在、生き残りの条件は何なんでしょうか。

 現場で苦労を積み重ねてきた著者は言います。それはニュースなどのコンテンツをつくる生身の個人の創意工夫しかない、と。インターネット時代になって、かえってそれは現実に手の届く可能性になったというのが著者の結論のようです。新聞とテレビの話がほとんどであるにもかかわらず表題が『インターネット・サバイバル』になっているのも、その基本認識のためでしょう。(2001.5.16.nom)


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SOCIUS.JPドメインへの初出 7/20(thu), 2002  
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