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ビーケーワン書評コラム

ミックス定点観測

[5]やはり原稿書きにはエディタでしょう(2001.5.2)

出版のためのテキスト実践技法 執筆篇
著者:西谷 能英著
出版:未来社
発行年月:2001.4
本体価格:\1,200


 ビーケーワンのブリーダープログラムが始まっています。ビーケーワンが一歩先んじましたが、聞き及ぶところではオンライン書店業界でいっせいにこの種のプロジェクトが始まるようです。いよいよインターネットならではの真正の双方向現象がネットビジネス界をゆるがすことでしょう。

 私もさっそくブリーダープログラムに登録して、個人サイトの更新作業を始めました(Socius)。そのうち途中経過をご報告いたしましょう。

 さて、最近のメディア論系では出版論がらみの本がにぎやかです。本というメディアが終焉を迎えつつあるのか否か、議論は大きく分かれています。

 もちろん「ネットワーク時代になって本という形式が廃れてしまう」という説はそれなりの説得力があります。でも、私は「ネットワークが出版にとっての起死回生の武器になる」という路線にむしろ興味を覚えます。本を廃らしたのはテレビなどのマス・プロダクトなメディアであって、インターネットなどはむしろ言語的なコミュニケーションを復権させたと考えるからです。たとえば、これだけ多くの人たちがパソコンやケータイで文字ベースの手紙を書いているのですからね。

 とくに起死回生の策となりうる可能性のあるジャンルは専門書出版です。専門書の部数はどんどん減って、今日ではよほどの著者でないかぎり採算ベースに乗らないということですが、未来社代表取締役である本書の著者は、この時代だからこそ少部数の専門書出版の可能性が開けてきたと主張しているのです。

 その具体的な技法をまとめたのが本書と、本書に続いて刊行される「編集篇」です。キーワードは「テキスト」と「エディタ」です。

 要するに、本の著者自身がエディタを使って適切にテキストデータを入力するようになれば、そして編集者自身が編集作業にエディタを本格的に組み込むことで、コストが大幅に下げられる。そのためには実践技法をきちっと整理して、マニュアル化しておく必要があるというわけです。

 印刷のためのテキスト作成とは何であるかを標準的に示した好著と思います。世の中には、機種依存しヴァージョン依存もするワープロソフトで執筆している人がまだまだ多いようですが、原稿書きにはやはりエディタでしょう。図表が必要なときは別ファイルにすべきです。

 ちなみに、付録のカード型CD-ROMは画期的です。(2001.5.2.nom)


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SOCIUS.JPドメインへの初出 7/20(thu), 2002  
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