Socius  ソキウス   著作+制作 野村一夫
 http://socius.jp 

現在地 ソキウス(トップ)>ビーケーワン書評コラム

ビーケーワン書評コラム

ソックス定点観測

[9]集合的沸騰の社会力学(2001.5.21)

祭りと宗教の現代社会学(Sekaishiso seminar)
著者:芦田 徹郎著
出版:世界思想社
発行年月:2001.4
本体価格:\2,300


 ココだけの話ですが、社会学のほんとうにおもしろいところは宗教社会学なんです。そもそも社会学が既成の社会科学から独立して、独自の方法論をあみだすようになったのは、宗教現象をどのように研究するかということでした。ウェーバーもデュルケムも、ともに宗教研究の文脈で独自の社会学理論を構築していったのです。それだけ、宗教というものはナイーブな社会現象だということですし、宗教こそすべての社会現象の基本型というわけです。

 著者の芦田さんは自称デュルケミアン。つまりデュルケムの影響を強く受けた研究者です。本書では、熊本の祭り研究をおもなフィールドとした研究が中心を占めていますが、オウムや新宗教そして神秘体験などの現象も射程に入れられています。

 芦田さんが祭りを見る視点はデュルケムの集合的沸騰論です。デュルケムの「集合的沸騰」は、フロイトの「無意識」やウェーバーの「カリスマ」と並んで、人間の行為に影響を与えている理解しがたい内奥の力をさす概念です。平たくいうと、共同体をひとつのまとまりとするのが集合的沸騰なんですが、祭りはそういう機能をもつ現象として理解できます。

 のちにパーソンズがいったことですが、デュルケムには「社会生活を宗教現象としてみる」という、ちょっとラディカルなところがあります。そのあたりを現代の祭りを通して考察されています。(2001.5.21.nom)


現在地 ソキウス(トップ)>ビーケーワン書評コラム
SOCIUS.JPドメインへの初出 7/20(thu), 2002  
このページのURLは http://
Kazuo Nomura(野村一夫) 無断転載はご遠慮ください。リンクはご自由に。
Valid XHTML 1.0!Document type: XHTML 1.0 Transitional