ゼミ手帖【2年ゼミ初日キックオフ用】2017年9月配付

00ゼミ手帖(初日用)表紙

ゼミ手帖【ゼミ初日キックオフ用】
2017年度後期用
 
MesoMediaFab
平成29年度國學院大學特別推進助成採択プロジェクト
「中間知識とメゾメディア:高等教育パラダイムの応用倫理的転回」
研究代表者・野村一夫
 IMG_4182

01 3分でわかる野村ゼミ

■ ゼミのテーマ

トランスメディア環境におけるクリエイティプの条件
■ゼミの目標
 多様なメディアが情報の玉突きをするトランスメディア環境において、多彩な能力を発揮するプロデューサー的存在になるためのレッスンを主軸にする。この複雑な社会の中では、適切に「つなぐ人」が、多くの人びとや組織を創造的なネットワークに組み入れるのだ。「つなぐ人」に必要な知識と能力を学ぶ。そして有能な「つなぐ人」を目指す。
■ゼミの到達目標
  1. 現在のトランスメディア環境について総合的に知識を学ぶ。ジャンルや技術の枠組みにとらわれない視野を獲得する。
  2. 速攻で何でも作ってしまうクリエイターとして、いつも作品あるいはプロダクツを制作できる人になる。
  3. 即興的に自在なコミュニケーションができる人になる。
  4. 誰にも負けない読書力をつける。
  5. 好きとか嫌いとかにとらわれない高いレベルの対話的知性をゼミに生み出す。
■ゼミの5つのエンジン
  1. ノンジャンル(好奇心いのち! 好きか嫌いかはどうでもいいじゃん)
  2. 速攻(前のめりでスタートダッシュ! スピード感を優先する)
  3. プロダクト(ひたすら作品づくり! 作ってみないとわからない)
  4. 即興と対話(手ぶらで何が言えるか、何ができるか、何をわかりあえるか)
  5. オープンなマインドセット(すべて公開する不屈の根性)
■ゼミの作品形式(メゾメディア)
レベル1(非公開コンテンツ):Workplace、WorkChat、Stock、ゼミ内プレゼン、企画編集会議、対話、討論、メゾメディア工房(815研究室)でのティータイム
レベル2(公開コンテンツ):名刺、パンフレット、新書、ラジオ番組、公開ウェブ。
レベル3(作品としてのゼミ):ドキュメンタリー
■演習1(2年後期)でやること
  1. 名刺をつくる。(9月)
  2. ゼミの手帖をつくる。(9月)
  3. 新書8冊をつくる。(クリスマスまで)
  4. 新書をもとにラジオトークする。(1月)
■使用するクラウドツール
  1. Workplace by Facebook(ゼミ活動をタイムラインで共有)
  2. WorkChat(かんたんな打ち合わせ)
  3. Stock(完成稿ストック)
  4. G-Suit(@kgi.tokyo)Googleエデュケーション
  5. Toppan Editorial Navi(トッパンエディナビ・ゼミの手帖と新書制作)
  6. プリスタ(http://www.printsta.jp/・名刺制作)
  7. MEME PたAPER(リーフレット、カタログ)
いっしょに危ない橋を渡ろう!

02 野村ゼミ名簿

経済学部史上かつてない陣容! 情報共有とチームワークで乗り切ろう!

●野村ゼミ13期生一覧
経済学科 8名(名前は省略)
経済ネットワーキング学科 10名(名前は省略)
経営学科 16名(名前は省略)
●アドバイスチーム
美奈子・ブレッドスミス(クロスメディア・コミュニケーションズ株式会社)✅️
野村ゼミOBOG 6名
●指導教授
野村 一夫✅️
●野村ゼミ12期生特設応援団(4年生Workplace登録者)11名

03 メゾメディアとは何か

 「メゾメディア」という概念は、2016年度におこなった「国学院大学 特色ある教育研究」に採択された「すべてクラウドによる授業の作品化」プロジェクトで初めて提案した概念です。私の造語です。
メゾメディアとは、配付範囲あるいは到達範囲を限定したメディアの総称です。マスメディアは全面公開が原則です。だれでも一定の条件を満たせば、情報・知識・コミュニケーションを得ることができるメディアです。たとえばテレビを買えば誰でも番組を観ることができるというように。
 逆に「通信」と言われるメディアは、一般に公開されません。当事者同士でコミュニケーションをおこなうためのメディアです。
 「メゾメディア」と呼びたいメディアは、マスメディアと通信メディアの中間領域にあります。ある一定の範囲で共有するけれども、共有範囲が明確に定義されていてコントロールできるメディアのことです。SNSはその典型です。
 2016年度のプロジェクトでは、大学教育における成果物の適切な公開について、主として2つのメゾメディアを使用しました。
 1つはトッパンエディトリアルナビとオンデマンド印刷を組み合わせて新書シリーズを刊行しました。私のゼミやクラスだけでなく、他の先生のフィールド調査報告書やシンポジウムの記録を制作しました。いずれも執筆しているのは学生です。
もう1つは「ノムラゼミラジオ計画」です。iPhoneを使ってFacebookページに始めました。学生と私とでラジオトークをしました。Facebookページは企業や団体がコンテンツを公開するアーキテクチャーですが、広告費をそのつど出せば、お知らせや投稿が指定したクラスターの人たちのタイムラインに表示されます。ラジオとは言えませんが、録音できる時間が最も長いのがFacebookページでした。
 そもそも学生の制作物は、発展途上の一里塚なので、そのまま公開するのは難しいのです。よくあるコピペ乱用のレポートが1つでも混じっていれば、冊子の評価がどんと落ち、いっしょに掲載されている制作物も含めて評判が悪くなってしまいます。本学経済学部でも大学院の留学生の書いた論文がコピペだらけで掲載雑誌を全部回収したこともあります。事件化することがあるのです。
 だから、大学は学生が書いたものや動画を公式サイトや入学ガイドにはそのまま掲載することはほとんど皆無です。事なかれです。だから経済学部では経済学会の方の費用で学生の論文集を作ったり、独自のサイトを設定して現役ゼミ生によるゼミ紹介を掲載したりしているのです。それは教育的見地からやっているのです。
授業での成果物(プロダクツ)は適切な範囲で共有するべきです。たとえば卒論は指導教員しか読みません。あまたのレポートも、それで終わりです。ゼミ仲間にも共有されないし、まして後輩たちにも伝わらない。伝わらないから授業としては毎年同じような繰り返しで、授業そのものがなかなかアップデートできないのです。それで100年やってきた。
 しかし、この20年間に急速にアーキテクチャーとインターフェイスの進化が進みました。だれでもブログを書き、だれでもSNSでかんたんにグループ・コミュニケーションができるようになりました。かつてはサーバ管理者しかできなかった設定も今ではだれでも自分やグループの設定をコントロールできるようになりました。
 これはネットだけではなく、印刷や放送の領域にも及んでいます。昨年「特色ある教育研究」で使用したトッパンエディトリアルナビは、クラウド上でページものを編集できる画期的なサービスです。もともと出版社用に開発されたものなので文庫判と新書判しかありませんが、インターネットとブラウザだけで、こまかい編集作業ができ、ゲラもPDFですぐにできます。EPubもできます。クラウドでないと、こちら側の設備が相応に必要で経費がかかります。クラウドですと、ブラウザだけで済みますし、操作もかんたんです。
 これとオンデマンド印刷を組み合わせて,教育機関として適切な費用計算の仕方を提案して、授業の作品化の基軸メディアにしたのです。配付は手渡し。関係者だけがもっています。
 授業体験もたいせつですが、それをドキュメントとして残すこともたいせつです。そう考えて「すべてクラウドによる授業の作品化:メゾメディア活用実践研究」というタイトルのプロジェクトをやったのです。今年度はこれをさらに展開したいと考えて大学の特別研究助成に申請しました。そこで提案したのがリアルなメゾメディア工房という部屋です。工房とはアトリエ。ものを作る場所です。最近はFabと呼ぶのがオシャレなようです。これを編集室にして成果物を限定範囲で共有するシステムを構築したいと考えています。6月中には合否判定が発表されるでしょう。
 というわけで作業部屋としてのメゾメディア工房(省略してメメ工房)に対応する情報共有の場所として、この仮想メゾメディア工房を設置したのです。コンテンツ制作に関わることは、すべてWorkplace by Facebookに集約します。教育的には、ここがすでに言葉の道場であります。LINEグループもやりますが、こっちに集約したいと考えています。
 インターフェイスはFacebookと似ていますが、完全クローズドで安全です。容量制限もありません。アカデミックとして契約すると無料です。LINEをやっていると、だいたい適応できると思います。タイムラインには、登録してあるグループの投稿が反映するので、そこを注意して、できれば毎日見るようにして下さい。質問も自由です。全部私が答えるのではなく、お互いが知っていることを共有するような形でいければいいなと思っています。
 「1人だけで勉強する」のではなく「みんなで賢くなる」のがゼミの本質です。10人程度のゼミではなく30人超のゼミですから、週1の授業だけで情報共有はできません。ここはそういう規模で「みんなで賢くなる」ためのナレッジ・コモンズとして活用していきたいと決意しています。

04 ワークプレイスの使い方

 メゾメディアという概念は、学生が作ったコンテンツの公開にあたって、安全性を優先して、しかるべき範囲とリーチするメンバーを限定して配付・共有するためのプラットフォームを指します。教育現場における適切な範囲内でのコンテンツ共有のことです。どれがメゾメディアかということより、どのように運用するかに焦点があります。したがって「学生の安全」と「コンテンツ共有」の両立を目指したいと考えます。そのために必要な確認事項を明記しておきます。

(1)メンバーを増やすことができるのは野村だけに限定します。必要があれば、CEOまでWorkChatでお知らせください。これまでの経験上、Excelのテンプレートがありますので、その項目を埋める形でリストを作成してCEOまでお知らせ下さい。
(2)参加者全員に以下の条件のパスワードを求めます。
・10桁以上
・大文字小文字混入
・記号 !”#$%&'() を必ず入れる
・KEANのアドレスを利用しますが、KEANに使っているパスワードは絶対に流用しないでください。そこがこのコミュニティにとってのセキュリティホールになるからです。
・覚えられるパスワードは、たいていパスワードの機能を果たしません。パスワードの使い回しも厳禁です。乗っ取られたときの被害がその分、深刻なものになります。
(3)推奨する利用環境
・スマートフォン。必ず2つのアプリをインストールして下さい。主としてパソコンで利用する方も、2段階認証のさいにスマートフォンが必要です。若い人は問題ありませんが、今後スマートフォンを利用しない先生が参加する際には、さきにスマートフォンを用意していただくことにします。スマートフォンが本人確認の証拠になるからです。
・パソコン。完全なクラウドなのでOSは選びません。性能も関係ありません。とにかく新しいものにしてください。2万円台のものでかまいません。メゾメディア工房は交流サイトではありません。ワークするための業務用SNSです。そのためスマートフォンだけでは十分なワークはできません。必ず用意して下さい。
・ブラウザ。基本はGoogle Chromeにしてください。Chromeにパスワードを覚えさせておくと日常的には手がかかりません。メゾメディア工房をブックマークバーに入れておきましょう。
(4)何か納得のいかないことがあれば、放置することなく、すぐに野村までWorkChatでお知らせ下さい。「異変に気づいた人には通報する義務がある」と考えて下さい。CEOは深夜以外はたいてい対応できます。
■2段階認証
いきなり難しいことを要求するようで申し訳ないですが、セキュリティ確保のため「2段階認証」をしてください。
(1)自分のページを開いた段階で右上の歯車マークをクリックすると「設定」に入ります。
(2)「セキュリティ」を開いて下さい。ここで自分のアカウントのセキュリティが設定できます。
(3)2番目の項目が「2段階認証」です。これはログインしたときに自分の携帯電話のSMSに6桁の数字が届きます。それをWorkplaceに入れるとログインできます。1度やっておくと、しばらくは何もする必要はありません。パスワードだけでは守れないご時世なのでスマホと連携して、ひとつひとつのデバイスを認証するのです。電話番号を入れてSMSと連携して下さい。
(4)わからないときは研究室で手伝ってあげます。研究室にいる日は前日にWorkChatのティーパーティで予告します。
■ボトルネック
 ここまでのプロセスでボトルネックになっていたことは次の3つです。
(1)案外パソコンを持っていない。
 これまではスマホで足りていたと思いますが、これからは両方使うことになります。2万円台のマシンで十分なので何とか手に入れましょう。HPのネットストアを見て下さい。クラウド時代はハードディスだってもういらないんです。研究室にHP2台ありますので差し上げます。オシャレライフにしたい人は自宅にiMacを置いておけば、あとはスマホでたります。自習室のパソコンはやめましょう。
(2)案外メールを見ることがない。
 大学のメールはスマホでかんたんに確認できます。OutlookとExcelとWordとPowerPointは必ずスマホに入れて設定しておいて下さい。ゼミでのプレゼンはスマホのPowerPointでやります。HDMI端子を用意しておいて下さい。
(3)案外パスワードの使い回しがある。
 パスワードはサービスごとに替えるべきです。小さなノートに書いておいてカバンの中にいつも入れておくといいです。今回、2人の方のKEANのアカウントを使って「管理チーム」にリクエストをしてきた件がありました。KEANの管理者がここを確かめに来たのでしょう。システム管理者はそういうことをするもんです。なのでパスワードはサービスごとに替えましょう。そうすれば、1つのサービスが乗っ取られたり侵入されても、他のサービスに累が及びません。
 質問とかアドバイスはコメントにつけて下さい。

05 なぜリスポンスが重要なのか

 メールにしても業務システムにしてもSNSにしても、大昔のように電話しなくて済むようになって、ほんとうによかったと思う。電話は同期型のメディアだから即答をしなければならないから、考える暇がない。だから適切な対応ができないことが多い。もう20年ほど早く生まれていれば、電話中心の世の中にあって私なんか何も仕事ができなかったと思う。

非同期型のメディアは、それなりに余裕があるし、テキストになるので「言った言わない」トラブルが少ない。ただしテキストに置き換える言語能力が求められる。
 だから毎日Facebookなんかに書いていると、リスポンスを返してくれるのは、高い言語能力を誇るハイスペックな先生たちばかりになる。教え子たちは人工知能によって私のタイムラインから消えてしまう。逆もそうだと思う。
 総じて、うちの大学の人びとはリスポンスがないか、とても遅い。職員はいいけれど、教員も学生もとても遅いか無反応である。最近はかつてよりめきめきよくなったとは思うけれども、それは一部で、たいていは巷間ビジネス文脈で言われているほどスピード感はない。
 理由はいくつかある。ヒントも少し。
(1)優先順位をまちがえている。公的なものが優先するはず。
(2)決断ができない。考えたり調べたりしないから思考停止する。つまり手数を惜しむから決断できない。
(3)処理能力が追いつかない。数をこなせない。
(4)リア充方面を優先している。だったら引きこもってはいけない。
 他方、何か判断を求めている人には明確な理由がある。それに無反応でいることは、実質的にはブレーキをかけているのと同じ効果になる。本人は「自分は何もしていない」と思っているかもしれないが、そうではない。相手に「ノー」を突きつけているのである。沈黙は「ノー」である。
 だから、そういう人は次のことをすべきである。
(1)その関係から離脱する。
(2)状態が悪いときは、そう宣言してアプリを削除する。
(3)なるべく現場に立ち会う、顔を出す。
(4)だれかにヘルプして引き上げてもらう。
(5)自分のコストの損得勘定をやめてみる。感情計算はやめた方がいい。
Q: どういうときに「いいね!」をしていいか,よくわかりません。「いいね!」に何かお約束とかお作法といったものがあるのでしょうか。
A: LINEとかTwitterにも同じ機能がありますが、Facebookの「いいね!」は名前もすぐにわかるし、親密な関係の中でおこなわれるため、とても強力です。それだけに先生や先輩方が居ならぶメメ工房においては気を遣うかもしれません。コメントにしても、どう絡んでいいか、わからないかもしれませんね。
 まず大前提は、ここには不審者はいないということです。ゼミ生もOBOGも親切でリスポンスのいい人たちです。基本的には、絡んでも大丈夫なタフなみなさんに来ていただいています。
 2年生のみなさんの立ち位置から見ると、リスポンスのよい人は(たとえば私のように)怖いかもしれませんね。じっさい私なんか先生方からはかなり怖れられていますが、それはうちの大学の人たちがネット上のリスポンスに慣れてないからなんです。でも、ここはクローズドな場所なので(そのために2段階認証をしていただいているわけです)怖れることはありません。
 私の第一の希望は「リスポンスのよい人」になってもらいたいということです。その最初の第一歩が「いいね!」(Like!)なんです。「いいね!」なら、それに対して反撃することはルール違反になりますから安心して付けて下さい。
リスポンスを返すことからコミュニケーションが始まるのです。リスポンスがないとコミュニケーションは始まらない。原理的には、これだけ押さえておいて下さい。
だから、ここでは「読んだ、わかった」という意味で「いいね!」をしてください。「何ですか、これ?」というときは、そのようにコメントして下さい。そこからコミュニケーションが始まるはずです。あまり「責任ある言動」なるものに囚われる必要はありません。そのうち勉強していきますが、そのようなものが言われる組織から何か創造的なものは生まれません。創造の芽を摘むだけです。
 というわけで,お気軽に「いいね!」してください。まずはそこから始めましょう。
Q: 出遅れてしまいました。すでにラビリンスです。どうすればいいですか。
A: 急ぎすぎましたかね。私はひとたび決断すると、いつもこんな感じです。1人でやってる分には「仕事が速いね」でいいのですが、周りを巻き込むと迷惑がられます。今回は人数が多いので、いろんなケースを想定して「前のめり」でセッティングしています。
 そもそもゼミはまだ始まっていないのですから、時間のあるときにグループ単位で読んでいくといいと思います。「読んだ、わかった」と感じたら「いいね!」してください。
Q: いまごろになって3日前の投稿に「いいね!」しにくいです。
A: いやいや、それはLINEやTwitterの話でしょう。あの界隈は時間の刻みが細かいので、あっという間に「旬」が終わってしまいます。だから24時間態勢でキャッチしないと波に乗れない、あるいは「イケてない」と思われるんじゃないかと強迫観念に囚われてしまうんです。
 メゾメディア工房をWorkplace by Facebookに設置したのは、もうちょいLINEやTwitterより、じっくり時間を取りたいと考えたからでもあります。容量も多いし、ずっと残ります。タイムラインは必要だと思いましたが(ケースマにはそれがない)もっと複線的でないと、じっさいのゼミ活動には対応できないし、1人ひとりの温度差や瞬発力の差もタイムラインに吸収できないだろうということです。
Q: むずかしいです。。
A: そのうちわかる。今は、スタートアップのステージなので、来たるべきスタートラインをめざして、ピッチを上げていけばいいんです。
 だから、何日前の投稿であっても、いま「読んだ、わかった」なら,その場でリスポンスを返せばいいんです。そういう人がたくさんいれば、そこが現時点での「旬」なんです。Workplace by Facebookも、そうなるようにできているはずです。なぜなら、リスポンスがあった時点からコミュニケーションが始まるからです。

06 ゼミは6つのチームで運営する

 全員で手分けして運営チームを担当します。演習1は公費が支給されるプロジェクトでもあるので基本的な課題は提示しますが、具体的にはそれぞれの運営チームで計画して実施して下さい。今後は詳しい情報もまず運営チームに提示して検討してもらい、運営チームからゼミ全体に告知してもらいます。
●運営チームの役割
(1)担当する仕事について具体的にチームで計画して実行する。そのためにスケジュールを先読みして準備をする。
(2)チームで決めたことをWorkplaceに報告する。途中経過であればWorkChatに報告する。ドキュメントを残す習慣を付ける。
(3)各チームの役割を個人単位で振り分けないで、チーム全体で調整しながら進める。個人単位で役割を振り分けてしまうと、その人が動けない場合、ゼミ全体が前に進めなくなるから。
▶進行チーム5人(名前は省略)✅️
Mission1 ゼミを番組として扱い、番組進行(MC: Master of Ceremonies)を担当する。
Mission2 スケジュール管理(ガントチャートあるいは行程表を作成してチェック)。
Mission3 作業グループ分けを担当する。くじ、誕生日、コースなど。
▶サポートチーム5人(名前は省略)✅️
Mission1 渉外(経済学会学生委員会との交渉)。
Mission2 会計(プロジェクト全体の会計)。
Mission3 いきもの係(出席管理と生存確認担当)。
Mission4 お茶会セッティング(メメ工房の飲食提供、月1万円程度を自由に采配)。
▶工房管理チーム4人(名前は省略)✅️
Mission1 設営(教室のセッティング)
Mission2 Workplace運営。
Mission3 メメ工房カフェマスター、執事、メイド。
Mission4 IT担当(メメ工房にあるパソコンの管理とサポート)。
▶記録チーム5人(名前は省略)✅️
Mission1 博物館見学ドキュメントを制作する。テキスト、写真、動画。
Mission2 言葉で記録する。順次Workplace内で共有できるようにする。
Mission3 映像記録を撮る(セッティングと編集、事前に安全な公開のために工夫する)。
▶名刺・リーフレットチーム6人(名前は省略)✅️
すべてクラウドサービスで作成する。
Mission1 名刺制作はゼミナリステン全員で個人単位。プリスタ(http://www.printsta.jp/)使用。9月23日から9月30日まで。
Mission2 リーフレットはプロジェクト全体の紹介。カラー4ページか8ページ。MEME PAPER(https://www.memepaper.jp/)使用。
Mission3 プロジェクト紹介はカラー文庫サイズ。トッパンエディナビ(https://toppan-edinavi.jp/)使用。チェキ写真つきメンバー紹介。
▶新書編集チーム9人(名前は省略)✅️
100ページの新書を8冊制作する。8つのチームを作る。中心となる編集長8名と調整係1名。今期課題はスキル系の命題集を作る。シラバスに提示した本の引用とかんたんな解説にする。詳しくは編集チームともむ予定。できれば来年度以降の基礎演習のディスカッション教材にしたい(少なくとも野村担当クラス)。具体的には、仕様を決める、レイアウトを決める、原稿をチェックする、掲載順序を決めたり、かたまりを作る、校正を進める。
■活動手順
(1)チーム単位でWorkChatグループをつくる。
(2)WorkChatでチームのリーダーを決める。
(3)土曜ゼミの進行表を作成する。
(4)アイデアを出し合う。
(5)調整が必要なときは「ティーパーティ」でおこなう。
キックオフ段階では野村が調整する。
■印刷物作業期間
名刺・パンフ・文庫 9月いっぱい
新書 10月から12月いっぱい
■サブゼミ(別の曜日に定期的にメメ工房で開催)
CMPV研究会
デザイン研究会
読書会(4年)
名画会(4年)
 みんながスケジュール管理に苦労していることは、これまでの長い経験で理解しています。とくに(やめるにやめれない)ブラックバイトと、対外的な試合が目白押しの部会やサークルに深く関わっている人はいつもジレンマになります。
 野村ゼミでは募集段階から「土曜日に来れる人」という条件をつけて募集したので正規授業のある土曜日はいいだと思いますが、努力してくれれば参加不参加の結果は問いません。
 で、今のうちに考えておかないといけないのはブッキングすることがあらかじめわかっているときにどう対処するかです。
 ゼミとしての取り組み方を確認しておきます。
(1)土曜日はゼミの日。土曜日はゼミ生34人が唯一集合する日なので、15回分の日程は先に埋めておく。3限だけでなく,その前後も予定を入れない。運営チームにせよ、新書チームにせよ、みんなが集まるのはこの日だけなので最優先する。なぜなら他の曜日に集合するのは(自分も含めて)たいていムリだから。
(2)ブッキングすることが事前にわかった段階で、チームとの打ち合わせと調整をWorkChatでやっておく。ギリギリになってからは調整できないので、事前に調整するのが大人の作法。調整は所属チームと進行チームといきものがかりに自分から申し出る。私には言わなくていい。

07 新書制作

■何のためにやるのか
(1)読むレッスン:シラバスに掲示した文献を読んで、議論の題材になりそうな文章を見つける。文献は新しいビジネス・スキルに関する翻訳書中心。
(2)書くレッスン:引用文の解説と論点を整理する。
(3)編集するレッスン:どんなメディアコンテンツでも編集作業が必須。読む人のことを考えて編集する。
(4)情報をデザインするレッスン:膨大なメディアコンテンツをどのようにデザインし直すか。キュレーションを学ぶ。
■スタイル
1項目2ページ単位。タイトル、引用文、出典、紹介文、論点。
議論の道具箱。
判型 新書判。1冊100ページを目安にして8冊に分けて制作する。
■人事労務用語辞典より「キュレーション」を引用
 「キュレーション」(curation)とは、情報を選んで集めて整理すること。あるいは収集した情報を特定のテーマに沿って編集し、そこに新たな意味や価値を付与する作業を意味します。もともとは美術館や博物館で企画展を組む専門職のキュレーター(curator)に由来する言葉ですが、キュレーターが膨大な作品を取捨選択して展示を構成するように、インターネット上にあふれる情報やコンテンツを独自の価値基準で編集して紹介するサービスもキュレーションと呼ばれ、IT用語として広く使われています。さらに近年では、人材教育や組織開発の分野においても、価値創造を促す新たな役割としてキュレーションの概念に注目が集まっています。
■新書制作作業手順
(1)8つのテーマについて説明したのちに1つを選択する。
(2)テーマに即してチームを作る。このさい偏りのないように微調整が必要。新書編集チームのメンバーが各チームの編集長となる。新書編集チームはたえず情報共有してレベルを上げていく。レベルの高いチームに合わせるよう心がける。
(3)チーム内でのクルーの分担を決める。分担のやり方には、本の章単位で分担するやり方と、チーム全体でプロセスを共有しながら進めるやり方がある。前者は機械的な役割分担になりがちで、体温の低い人の担当個所が手薄になりがちである。後者は(叩き台を提示する人とリスポンスを返す人のように)有機的な分担ができると理想的だが、かなり手数が多くなる。どちらでもよい。
(4)本を入手して、線引きしながら(付箋紙でもよい)通読する。メメ工房に課題図書は常備するが、編集上使用するため貸し出せない。私費で購入するか図書館で借りることが必要。
(5)クルーは引用集を作成してチーム内で発表する。それを叩き台にしてチームで内容を検討する。このさい議論が必要。かなり時間がかかると予想されるので、叩き台はしっかり作っておくこと。議論のさいは各人がメモを取ってチームのWorkChatグループに共有すること。
(6)チームの編集長を中心に原稿を練り込むこと。自分たちで判断できないときはメメ工房で相談してほしい。同時に表紙デザインを決める。
(7)トッパンエディナビにコンテンツを投入する。クラウド仕様なので、どこでも投入可能だが、メメ工房に入力用のパソコンを6台用意してあるので、メメ工房でも作業できる。この場合はサポートつき。編集の技術が身につく作業である。エクセルより簡単。
(8)初校。内容の訂正はここまで。修正を再びトッパンエディナビに入力する。
(9)再校。ここまでにカラー表紙デザインも確定させる。修正を入力。
(10)印刷工場に送る。あとは寝て待て。
■完成後の作業手順
(1)配付。
(2)これらを使って実際にディスカッションをしてみる。→ラジオトーク

08 新書制作の8つのテーマと参考文献(決定版)

到達目標(シラバス掲載)
○ (1)現在のトランスメディア環境について総合的に知識を学ぶ。ジャンルや技術の枠組みにとらわれない視野を獲得する。
○ (2)速攻で何でも作ってしまうクリエイターとして、いつも作品あるいはプロダクツを制作できる人になる。
○ (3)即興的に自在なコミュニケーションができる人になる。
◎ (4)誰にも負けない読書力をつける。
○ (5)好きとか嫌いとかにとらわれない高いレベルの対話的知性をゼミに生み出す。
(1)正しいチームワークの編みだし方(チーム論)
 もちろん1人で何かを成し遂げる人はいます。けれども、ほんとうに1人で画期的な何かを成し遂げる人はごく限られています。ほとんどはチームによって何かが成し遂げられるのです。たとえ1人でやったとしても、少なくとも評価する人がいないと「何か」にはならない。たとえば、シャーロック・ホームズはワトソン博士がいるからこそ「名探偵」なんですね。
 だからチームのことをきちんと考えましょう。なんとなくで、よいチームはできません。役割をジャンケンで決めて終わりというようなレベルではチームを組む意味がありません。チームワークには、メンバーの合計以上のチカラが生じることがあるのです。それはどういうことなのか。どうすればいいのか。基本的な考え方はどのようなものなのか。
●ジェイソン・フリード&デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン(黒沢健二・松永肇一・美谷広海・祐佳ヤング訳)『小さなチーム、大きな仕事:働き方の新スタンダード』早川書房(ハヤカワノンフィクション文庫)2016年。
●リッチ・カールガード、マイケル・S・マローン(濱野大道訳)『超チーム力:会社が変わるシリコンバレー式組織の科学』ハーパーコリンズ・ジャパン、2016年。
●バーナード・ロス(庭田よう子訳)『スタンフォード大学dスクール 人生をデザインする目標達成の習慣』講談社、2016年。
(2)弾けるアイデアをひねりだす(クリエイティブ論)
 自由に企画せよと言われても、手ぶらでよいアイデアがひらめくことはありません。もしそれが採用されるとしても、たいてい誰も代案を言えないだけのことが多いと思います。良いアイデアをひねり出すには、知識と意欲とアンテナを持っていることが前提だと思いますが、もっと詰めて考えてみましょう。総じて大卒として就職した人がずっと定型業務に携わることは稀です。きっと何か定型業務ではない裁量的かつ創造的な何かに携わることが多くなります。とりわけ若い人には、そういう役割が期待されます。その期待に応えることができますか?
●チップ・ハース、ダン・ハース(飯岡美紀訳)『アイデアのちから』日経BP社、2008年。
●トム・ケリー、デイヴィッド・ケリー(千葉敏生訳)『クリエイティプ・マインドセット:創造力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法』日経BP社、2014年。
●佐藤可士和『佐藤可士和のクリエイティブシンキング』日経ビジネス人文庫、2016年。
(3)弱気で頑固な自分の動かし方(自我論)
 最近、新しいことをしましたか? 昨日と同じことをしていませんか? たとえばゼミで次々に繰り出される課題に向き合って自発的に準備をするのが「おっくう」ではありませんか? 締切直前まで課題に手を付ける気がしないということはありませんか? そういうとき、あなたはあなたをコントロールできていますか? どうやったら自分を動かせるのか考えてみましょう。
●ケリー・マクゴニガル(泉恵理子監訳)『スタンフォードの心理学講座 人生がうまくいくシンプルなルール』日経BP社、2016年。
●キャシー・サリット『パフォーマンス・ブレークスルー』徳間書店、2016年。
●タイラー・コーエン(高遠裕子訳)『インセンティブ:自分と世界をうまく動かす』日経BP社、2009年。
(4)他人を変える、自分を変える、関係を変える技術(コミュニケーション技術論) 
 社会の基本単位は個人ではありません。コミュニケーションです。コミュニケーションの集積が社会の実体です。だから、この社会で生きていくためには、いつだって注意深くコミュニケーションをおこなうようにしなければなりません。コミュニケーションはある程度まで技術で乗り越えられます。メディア技術ばかりではありません。手ぶらでコミュニケーションをおこなうときにも、それなりの技術があるのです。
●ヘンドリー・ウェイジンガー、J・P・ポーリウ=フライ(高橋早苗訳)『プレッシャーなんてこわくない』早川書房、2015年。
●アンドリュー・ニューバーグ、マーク・ロバート・ウォルドマン(川田志津訳)『心をつなげる:相手と本当の関係を築くために大切な「共感コミュニケーション」12の方法』東洋出版、2014年。
●ダグラス・ストーン、ブルース・パットン、シーラ・ヒーン『話す技術・聴く技術』日本経済新聞出版社、2012年。
(5)腑に落ちるデザイン(情報デザイン論) 
 魅力的なデザインはあります。同時に、わかりやすいデザインもありますね。ゼミで考えたいのは後者の方です。複雑なものごとをすとんとわからせるデザインを「情報デザイン」と言います。地下鉄の路線図や観光マップは美術的なデザインであると同時に巧みな情報デザインです。情報デザインという考え方は最近は「デザイン思考」として語られています。どういうことでしょうか。
●D. N. ノーマン(野島久雄訳)『誰のためのデザイン:認知科学者のデザイン原論』新曜社、1990年。
●アビー・コバート(長谷川敦士監訳、安藤幸央訳)『今日からはじめる情報設計』BNN、2015年。
●ティム・ブラウン(千葉敏生訳)『デザイン思考が世界を変える:イノベーションを導く新しい考え方』早川書房(ハヤカワノンフィクション文庫)2014年。
(6)パッとしない自分をスイッチする(人生デザイン論)
 情報デザインの応用編として「人生のデザイン」を考えてみましょう。私たちは過去の自分の経験から未来を想像しますが、ほんとうにそれでいいのでしょうか。さなぎから蝶が変態するように、スパッと人生路線を切り替えることはできないのでしょうか。鬱々として立ち上がれない自分をどうすれば立ち上がらせることができるのでしょう。こういうスイッチングは、ある程度までは技術的に解決できます。まずはそこまで立ち上がってみて、次のステップに進みましょう。
●メグ・ジェイ(小西敦子訳)『人生は20代で決まる:仕事・恋愛・将来設計』ハヤカワノンフィクション文庫(早川書房)2016年。
●チップ・ハース、ダン・ハース(千葉敏生訳)『スイッチ! :「変われない」を変える方法』ハヤカワノンフィクション文庫(早川書房)2016年。
●ブレネー・ブラウン(小川敏子訳)『立て直す力:感情を自覚し、整理し、人生を変える3ステップ』講談社、2017年。
(7)学び方を学び直す(知的生活論)
 これからの長い人生を今の自分の知識在庫だけでやっていけると思いますか。みなさんから見ると、今の老人や中年の人たちの考え方って古いと思いますよね。そうです。たいていは賞味期限の切れた知識を使い回していることがとても多い。なぜなら自分の知識をアップデートしてないから。知識のアップデートなしに一生涯やっていけるわけがありません。カビの生えた陳腐な知識や考え方と縁を切る唯一の方法は勉強です。正しく言えば独学です。独学の仕方を学びましょう。
●花村太郎『知的トレーニングの技術[完全独習版]』ちくま学芸文庫、2015年。
●東郷雄二『独学の技術』ちくま新書、2002 年。
●ベネディクト・キャリー(花塚恵訳)『脳が認める勉強法:「学習の科学」が明かす驚きの真実!』ダイヤモンド社、2015年。
(8)遠くの雲のつかみ方(クラウド体験記)
 これを読んでおられるみなさんは、すでにクラウドに跳んでいます。すでにクラウドがスタンダードになっている現代、クラウドを使いながら、その効用や落とし穴を考えてみましょう。そして未来のありようを想像してみましょう。これから企業や組織で働く人には必須の知識(新しい教養)です。
●江崎浩『インターネット・バイ・デザイン:21世紀のスマートな社会・産業インフラの創造へ』東京大学出版会、2016年。
●ダナ・ボイド(野中モモ訳)『つながりっぱなしの日常を生きる:ソーシャルメディアが若者にもたらしたもの』草思社、2014年。
●イーライ・パリサー(井口耕二訳)『フィルターバブル:インターネットが隠していること』ハヤカワノンフィクション文庫(早川書房)2016年。
 以上の8つのテーマごとに新書制作チームを作ります。チームのクルーは、それぞれ3冊の本を読んで、キュレーションをして、新書形式で討論資料を作成し、それでもって他のゼミ生に説明する役割を実行します。言わば「ゼミの中のエキスパート」として振る舞って下さい。演習1で必要な本はその3冊だけですので、必ず3冊買って読んで下さい。 

09 読書の技法

 新書制作にあたっては最初に「読書の技法」について考えておく必要があります。おそらく野村ゼミで最初に「たいへんだ」と感じるのは、読書量が格段に多いことなんです。
 たとえば、半年前に卒業したゼミ生が2年だったときには、野村ゼミ名物「メガ読み」として20冊のカルチャー本を読みました。軽いものです。なんですが、みんな自分の担当した本しか読んでおらず、しかも他の人が発表した説明もほとんど聴いていないので、じっさいには全然メガ読みにはなりませんでした。つまり
・自分が発表する本しか読まない。
・他人の発表には関心がない。
・結局、ゼミでやったことを説明できない。
 だからシューカツで「大学での勉強」を問われて立ち往生した人も少なくありません。まあ、それでもみんなそれなりのところに就職していったので「結果オーライ」なんですが、せっかく私のそばにいて、全然それが生きてこないというのが、かねてからの悩みでした。
 そこそこ人気があって、他ゼミとは一桁ちがう分量のエントリーシートをこなさないと入れないゼミなのに、今ひとつゼミ生の才能を伸ばしきれないのはなぜか。それで、健康になったここ数年、一歩進めて積極的に試行錯誤をしてきたのです。すなわち
・アクティブラーニングを取り入れる。それまでの「先生を軸にした扇型の教授モデル」をやめて、チーム中心の運営に変える。うちはこれが決定的に弱い。私も弱かったので、基礎演習2年分で大幅にアップデートしました。だから34人でも大丈夫なんです。
・すべてクラウドによる作品化を導入する。フルカラー雑誌制作については、過去十年やってきました。編集はすべてゼミ生に任せましたが、表面的なデザインに気を取られるのでコンテンツに新鮮みがありませんでした。経済学部出身者は結局、文章の内容が勝負。デザインは職人さんに任せればいい。そう考えて新書を中心にした作品づくりに切り替えました。
・特定のプロダクトやサブカルチャーのケース研究をするなかで知識や創造性やスキルを学んできましたが、じっさいには表面的な現象理解でとどまってきたきらいがあります。つまり「おたくゼミ」だった。なのでジェネラルスキルをがっちり意識してから各論に跳ぶことにしました。
・情報共有の態勢を万全にする。もうLINEじゃ間に合わない。
 一貫して変わらないのは「量をこなす」ことです。これは場数を踏む必要がありますが、慣れれば誰でもなんとかなります。ポイントは
・手数(てかず)をかける。
・才能の出し惜しみをしない。
・「自分はじつは特別な人である」という幻想を捨てる。
 というわけで、全然「読書の技法」まで行きませんでしたね。勉強の仕方については、基礎演習レベルから1段上がります。次の本は、とても参考になります。どうやら今年の夏休みは涼しいようなので、この1冊を読んでおいて下さい。質問はいつでもどうぞ。
・橋本努『学問の技法』ちくま新書、2013年。

10 Stockにストックする

  1. チーム単位の打ち合わせや連絡は、チーム専用のWorkChatでおこないます。
  2. チームで決まったことはWorkplaceに投稿してゼミ生全員に情報共有します。
  3. 完成原稿はStockに投稿します。Word書類はドラッグすると、ここに収まります。
  4. 印刷用のファイルやネット公開用のファイルは、Stockに保存することにします。
ここではファイルを軸にチャットができます。主役はファイルです。完全原稿になったものをここにアーカイブ(貯蔵)します。ここがそのまま成果物の倉庫になります。
 じつはライティングツールとしても使えます。直接、自分のノートに書けばいいんです。Stockに満足できなくなったらEvernote(無料)をおすすめします。
 ゼミのStock管理は工房管理チームに権限があります。

11 野村ゼミの構造

■場所
土曜日1303教室、拠点815研究室=MesoMediaFab■2種類のチーム

運営チーム×6

新書チーム×8
■6つのクラウドサービス
Workplace by Facebook(タイムライン、プロセス管理)
Toppan Editorial Navi(編集システム)
Stock(アーカイブ、タスク管理、文書中心チャット)
G-Suite(Chromeによるセキュリティ管理)
プリスタ(名刺制作)
MEME PAPER(リーフレット制作)
■協力企業
凸版印刷株式会社
Google
LinkLive Inc.
■経費支援
國學院大學特別推進研究助成金
管理 研究開発推進機構事務課(AMC5F)
■アドバイザリーチーム
美奈子Breadsmith様(from Crossmedia Inc.)
野村ゼミOBOG有志
野村ゼミ12期生(4年生)有志

12 KGI.TOKYOアカウント一覧

グーグル上にある@kgi.tokyoのアットマークの前を決めました。これでStockに登録します。このアカウントは自由に使って下さい。グーグルの有料ビジネス用と同じ仕様です。審査を受けてアカデミックとして無料で運営しています。ふだんは工房管理チームが管理しています。サイト全体は野村が管理しています。ただしサーバー管理者ではないので、メールの内容などを見ることはできません。できるのはアカウントの登録や削除などです。
名前は省略

テーゼ集テンプレ

自らの強みに集中する
不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである。
ドラッカー(1999=1999: 199)
解説
 ドラッカー晩年の著作の一節。ドラッカーは「マネジメント」の重要性を発見した人だが、たんに経営者哲学にとどまらず、組織の中で働く人の生き方についても多くの指南を与えている。漠然とした人生論ではない。組織に置かれた人への具体的なアドバイスである。
 このテーゼは、近年よく言われることの真逆である。「不得意なところをなくしなさい」というのが普通であろう。ドラッガーは、そんなことに労力をさいていたら、いくらがんばっても並のレベルにしかならないとし、それよりも得意分野を徹底的に伸ばした方が楽だし、組織への貢献になると言うのである。
 では「自分の強み」とは何だろう。ドラッカーは別のところで、案外、人は自分の強みをわかっていないというようなことを書いている。
論点
(1)不得意科目を捨てるのは得意だ。すでにやっていることかもしれない。そういうことと何が違うのか。
(2)不得手なことを改善しないと、のちのちトラブルになるんじゃないのか。
(3)不得手なことは、ほっといてもやらないから、別にドラッカーに言われなくてもわかる。でも、そういうことではないの?
(4)自分の強みって、自分ですぐにわかるものだろうか。他人に聴いた方がわかるかも。
(5)勉強の場合だと、どういうことになるの? 就職のときはどうなの?
コメント
 不得意なことを改善しないとダメ人間になってしまうように思いがちだが、組織の中では全部やらなくてもいい。不得意なことをやってくれる相棒とチームを組めばいいんじゃないか。その相棒が不得意なことを自分が得意であれば、きっとうまく行く。だから何かしらの強みをしっかり伸ばしておくことが大事なんだと思う。(野村一夫)
参考文献
P.F. ドラッガー『明日を支配するもの』(上田惇生訳)ダイヤモンド社、1999年。
P.F. ドラッカー『[英和対訳]決定版ドラッカー名言集』(上田惇生編訳)ダイヤモンド社、2010年。

執筆メモのテンプレ

基本的には「テンプレの解説」に沿って、メモしていきます。直接、Stockに「テンプレの解説」全文をコピペして、それに沿ってメモして下さい。字数は意識しなくてもいいです。
●タイトルはワンフレーズで。キャッチコピーと同じ。ただしウソはつかない。
キャッチコピーと同じなので、1つとは言わず複数考えて、チームで揉んでもらうのがベスト。
 テーゼの一部分を抜き出してもよい。
●テーゼ(引用文)は短めに。これも引用しようと思った個所が長いので半分を削除した。削除した部分は「解説」で補えばよい。
正確に引用すること。チームでチェックすると良い
●引用個所の文献注を必ず付ける。著者名+全角カッコ+原著刊行年+イコール+訳書刊行年+半角コロン+半角アキ+ページ+全角カッコ閉じ
 執筆メモの段階で、ここは確定。
●解説は、文脈を軽く説明して、引用部分を取り上げた理由を説明する。取り上げた理由は主観的なものなのでよい。改行は2つか3つ。
テーゼの周辺を眺めて、文脈を思い出す。そのテーゼが含まれている小見出しを参照する。
●論点は全角カッコの中に全角数字を入れて箇条書きにする。このテンプレのように細かく5つまで提示する方法でもよいし、2つぐらいに絞って「ああでもない、こうでもない」と論じてもよい。
少なくとも2つぐらいは持参して、あとはチームで出た意見などをメモしておく。す
●コメントは主観的でよいし、チームでの議論を反映させてもよい。感想ではなく「こう考えてみた」風がよい。好きか嫌いかはどうでもいいじゃん。
コメントが担当者の見解を自由に表現できるコーナーになる。何を書いてもいいが「ふざけ」だるけはダメ。ユーモア表現はオーケー。「ふざけ」は内輪受けなので、内輪でない人からは「ばか」にしか見えないから。
●参考文献の書式をマネしてほしい。
各チーム3冊だけなので、コピペすればよい。
●最後に担当者の名前を書く。実名のみ。しかるべきシーンで「ほう、君はどこを書いているの?」と言われたときに、実名でないと意味がない。難読の名前の場合は「担当 野村一夫(のむらかずお)」と書く。「れいな」か「れな」か、読者にちゃんと意識させよう。

編集画面とプレビュー

編集画面.png