社会学界も教育について考えるようになった。その関係で関西社会学会で報告したり、日本社会学会の大会シンポジウムで報告したりした。今なら理論的にももっと濃く語れるし、実践報告も熱く語れるように思う。2001年に国学院に赴任してから約10年間は複数の深刻な事情で絶不調だったのである。今はもう社会学に限定する必要を感じなくなったが、それでもデフォルトから思考できるディシプリンとして社会学の優位性はあると考えている。じっさいの社会学教育は相当遅滞しているが、そもそも「社会学の考え方」をちゃんと伝えるポストが少なすぎるし、それはここのところの大学改革と大学サバイバルレースの過程において、さらに整理統合されて減っているように思う。日本学術会議による参照基準も出た。経済学では参照基準をめぐって大論争が起きたが、社会学はほどほどのコンセンサスだったと思う。しかし、アメリカ社会学会が推進してきたように深掘りするような気配はない。一矢報いたいという気持ちはある。とは言え、2001年以降、私は社会学を教えていない。