南総里見八犬伝

大塚英志さんが示唆していたように南総里見八犬伝は物語の典型構造を示している。私もそう思う。かねがね読みたいと思っていたもので、これを機会に安い古本を買った。ほんとは岩波の全訳の文庫でないものがほしいのだが、それはあとあとにして、児童向けのものと白井喬二による翻案ものなどを買った。これで概略わかればよい。その昔、NHKの人形劇で見ていた頃があるが、きちんと見ていたわけではないので、いささか悔いが残っていたのだ。白井喬二がこんな仕事をしていたとは知らなかった。大衆小説の草分けだが、量をこなす作家の先駆けのような人である。児童向けのものは総ルビで絵がよい。「南総」という閉じられた空間で物語が進行するわけで、これって「カントウ」を舞台として始まったポケモンと同じではないか。何か継承されている「物語の文法」のようなものがあるような気がする。